なぜApple Musicの楽曲はDRMが付いて落ちてくるのか

Apple MusicとiTunes Matchの違い


Apple Musicからローカルに楽曲をダウンロードするとその楽曲はDRMが付いた状態で落ちてきます。
Apple Musicと同じようなサービスに見えるiTunes MatchではDRMフリーで落ちてくるのにApple Musicでは付いてくる、なぜなんでしょう。

それはおそらく楽曲の所有の有無ということになるのではないでしょうか。

これまでのiTunesストアでのダウンロード販売ではDRMフリーの楽曲を購入しその楽曲のコピー、そして共有も可能でした。

またiTunes Matchでは、iTunesライブラリのバックアップとローカルに楽曲を保存していなくてもどの端末でもストリーミング視聴できるという、購入した楽曲をiCloudを介して視聴しているという、これまでのローカル再生と根本は同じです。

そのクラウドサービスのレンタル料金としてiTunes Matchが存在しユーザーは料金を支払うという形になります。

しかしApple MusicではiTunes Matchのストリーミングという手法は同じながらもそれらの楽曲はユーザーが購入したものでもなければ、将来的にユーザーがApple Musicを解約することだって可能です。

するとどういうことになるかというと楽曲を落とすだけ落として1ヶ月で解約してしまうことだってできてしまいます。

この場合でいうとiTunes Matchではもともとユーザーが所有していたものなのでDRMフリーでもiTunesストアのダウンロード販売となんら変わりはありません。

これまでのiTunesストアのダウンロード販売では1人が楽曲を購入してしまえばたとえば楽曲のコピーやiOS以外の他端末での再生による共有が実際可能でした。

しかしApple Musicではそれが不可能になり楽曲をコピーすることができず、1人が加入したところでこれまでとは違って、人数分の加入が必要になってくるということになります。

ここにダウンロード販売とApple Musicの違いが現れてきたことになり、楽曲を提供するレーベル側にとってみると定額制という聴き放題のメリットを享受できることになります。




さらにiTunes MatchでもApple Music同様に楽曲の再生回数によりレーベル側にマージンが支払われる仕組みなので、どちらも楽曲の不正取得によるレーベル側のダメージをなくすことができます。
しかもそれはユーザー自身が積極的にApple Musicに加入することで!

あくまでもiTunes Matchはユーザーが所有する楽曲のみを、Apple Musicは楽曲のダウンロードも可能だが言ってみればレンタルのようなものだと考えればわかりやすくなるでしょうか。

iTunes Matchはクラウドを介して"自分が所有している曲"を聴いているだけという、ユーザーにとってみればただそこには視聴する手段の違いがあるだけということになります。

DRMの有り無しの違い、こうやって紐解いてみると至極まっとうなルールであり「いまどきDRMなんて」の考えは消沈せざるをえず、オフライン再生というユーザビリティを考えるとDRMなしでは成し得ない施策なのではないでしょうか。

一見、聴き放題とDRMという相反しそうなこれらの言葉はユーザビリティを考えると必然的なものであるわけです。

機能が似ているように見えるiTunes MatchとApple Music。将来的な存在価値はユーザー次第で、ユーザーが楽曲の所有を放棄してしまえばiTunes Matchの存在意義はなくなるということになるでしょう。

同時加入した場合、iTunes Matchのストリーミング再生機能はほとんど無となりiTunesストアにない要するにマッチングしなかった楽曲のバックアップ先とそのストリーミング再生にユーザーが魅力を感じるかということになります。

聴き放題という圧倒的なApple Musicの前では、これまでこつこつと集めてきた楽曲コレクションをほとんど無にしてしまい、クイズでいうところの「最後の問題は1兆ポイント」というすべてをかっさらって行ってしまうような畏怖とそして魅力を感じます。

聴き放題というApple Musicの魔力は本物なのかまやかしなのか、将来の実質的な二重課金(購入したのに加入もすること)にならないためにも、聴き放題は自分には必要なのか不必要なのかという決断が今年2015の年にやってきたことになります。

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